平成22年度 戦略的大学連携支援事業 活動報告書
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本連携研究プロジェクトにより、銅酸化物高温超電導体での異常な不純物効果およびメカニカルミリングによるディスオーダー導入の新たな効果が明らかになった。特にディスオーダーの導入によりTcが上昇した銅酸化物試料においては、今後その超電導特性が応用上どのような影響を与えるのかについて明らかにしていく必要がある。そのためには、東京都市大学において超電導材料としての評価実験が可能なように、現在の粉末状試料をバルク化することが課題である。また、Ce系希土類化合物超電導体では、銅酸化物やMgB2とは異なり、メカニカルミリングによって不規則性を導入しても新たな超電導相やTcの上昇は見られなかった。Tcが高い超電導体と低い超電導体では、ディスオーダーの導入の効果がかなり異なるものと考えられる。また、超電導関連物質での研究では、Ce系希土類化合物での特異な磁性(SDWのsquaring)や希土類硫化物、スピネル型硫化物における特異な電気伝導(金属-絶縁体転移)の元素置換効果が明らかになった。今後、これらの元素置換効果やそれによるディスオーダーの効果の起源を明らかにしていき、新たな超電導物質の開発へつなげることが望まれる。図6-2 Cu(Ir1-xSnx)2S4の磁化率の温度依存性図6-3 Cu(Ir1-xHfx)2S4の磁化率の温度依存性まとめ4連携推進委員会 活動報告教育研究部会 活動報告大学運営部会 活動報告地域連携部会 活動報告評価委員会96

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